愛知県の定員割れから見えること
【受験情報 2023】
「公立高校の定員割れ状況について」
日頃よりお世話になっております。
2023年の受験情報、最初のお話は「公立高校の定員割れ」についてです。
2次募集定員が2000人を超えてから、3年続きました。
人気校は相変わらずの受験状況であるにもかかわらず、専門学科・通学がしにくい場所にある高校の定員割れ状況は悪くなっております。
定員割れをした高校などの一覧は、愛知県の教育委員会https://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/452060.pdf
からご覧になることができます。
今回は少し違う切り口から見てみたいと思います。
【近隣校を例にとってみると】
今回、近隣の高校で定員割れを起こした高校は
- 小牧南高校(▲46名)
- 丹羽高校(▲12名)
- 犬山高校(▲69名)
定員割れをしたこと自体が問題なのではなく「定員割れに至る理由」が原因だと考えています。
例えば
小牧南高校は
「定員280人」
「推薦での合格者29人」
だったので、一般受検が始まる前の段階で
「合格定員251名」となっていました。
そこに「第1志望としての受験者数155名」「第2志望としての受験者数197名」で全体倍率は1.4倍でした。
つまり「251名(定員)ー155名(第1志望者数)の96名」で定員に達していません。(←これを「不足分」といいます)
小牧南高校を第2志望としている197名のうちから、96名が第1志望校を落ちないと定員割れになってしまいます。
では「小牧南高校を第2志望にしている197名」のうち、何人が落ちてきたのかというと「50名」です。
結果として「不足分」の96名のうち50名しか満たされないので46名が定員割れとなりました。
【この受験から何が見えるか?】
小牧南高校を第2志望にするとなると、
「第1志望:江南高校」ー「第2志望:小牧南高校」
「第1志望:一宮南高校」ー「第2志望:小牧南高校」
というパターンの受験生が多いでしょう。(特にこちらの地域では)
小牧南高校を第2志望にした生徒「197名」のうち「147名」は第1志望に合格しているのです。
実に75%の受験生が、第1志望に合格しています。第1志望がだめで第2志望になった受験生は25%だったということです。
【では、犬山高校を例にして考えてみると】
犬山高校は「定員240名」です。
推薦入試で「31名が合格」しているので、一般受検の募集は「209名」となっていました。
そこに「第1志望にしている受験者数:102名」「第2志望にしている受験者数:254名」でした。
209ー102=107と不足分は大きいですが、第2志望にしている254名います。そこから落ちてくるのを願うしかありませんでした。
しかし結果は「69名が定員割れ」ということになりました。
つまり254名いた「犬山高校を第2志望にしている受験生」のうち、実際に第1志望がだめで第2志望に回ったのは「38名」
「254名のうち216名は第1志望に合格した」ということです。(85%が合格。不合格は15%)
犬山高校の併願パターンでいうと
「第1志望:小牧高校」ー「第2志望:犬山高校」
「第1志望:山田高校」ー「第2志望:犬山高校」
のパターンの受験生が多いでしょう。
【結果として】
「定員割れ」をしてしまった高校は「その併願校」の影響を大きく受けていることがわかります。
上位校の受験者が減っていることから、併願で下位校になる高校は定員割れになったり、入りやすくなったりします。
例えば「丹羽高校」も定員割れをしています。
「第1志望:丹羽高校」ー「第2志望:小牧高校」
という併願をする受験生も多いでしょう。しかし丹羽高校が定員割れをしたということは
「丹羽高校」ー「小牧高校」で受験した人で「丹羽高校」を落ちた受験生はいないのです。
つまり「小牧高校」などは倍率は高く見えますが「入りやすい」受験だったのではないでしょうか。
愛知県ではこのような併願をする以上、とても複雑に状況が絡み合ってきます。
毎回、受験後から「進路希望調査」が出るたびに、こんな分析を繰り広げております。
そろそろ新中学3年生を筆頭に、受験校について考える時期がやってきます。
どの高校が入りやすいのか、入りにくいのか、
どのくらいの学力で入れるのか
そういった細かいことまで、お伝えしていきたいと思います。
面談時期でなくても、お気軽にご相談いただければ、お子様に合わせた受験校のお話をさせていただきます。