勉強に困らない子に育てるために(続き)

2022年11月09日

 さて前回の続きです。

 ケース②でお話しした「反抗期」などで一時的に勉強しなくなったが、その時期が過ぎればしっかりと取りかえしていける。

つまり「実力」を付ける。ということです。

これ、かなり長い研究論文でしたのでだいぶ省略した形でお伝えします。

早い話が「国語力」が重要ということでした。

 そしてその「国語力」を身につけるために「言葉に興味を持たせる」ということが重要です。

 幼少期の「読み聞かせ」の重要性は、今更お伝えする必要もないでしょうが、その量がその後の学習に大きく影響を与えているそうです。

 年間で1000冊以上を読み聞かせることを1歳~7歳まで続けると、その国語力はケタ違いに上がっていくようです。

 ちなみに一日3冊を読んだとしましょう。

 3×365=1095

 およそこれくらいが目安になるようです。

 では小学校入学後は何もしなくていいか?というとそう言うわけではないようです。

 小学校入学前(出来るだけ早く)から「ひらがな」「カタカナ」の練習に、そして出来るだけ早く「漢字」の練習に取り掛かることが重要です。

 そのタイミングで、本も読み聞かせから「読書」へ変わっていくことも大切な要因のようです。

 「文字が読める」「読み聞かせにより読書に抵抗がない」ことから、比較的自然と「読書」への興味が湧いてくるようです。

 また「漢字」の学習には日本の場合「漢字検定」を利用すると良いようです。確かにただ勉強するだけでは目的ななくなりそうですものね。小学4年生ごろまでに、小学生の漢字を取りきることが出来ると国語力は安定していくようです。

 つまり漢検にすると「5級!」

 確かにうちの塾でも、小学4年生の間で「5級」を取れる子は、中学に入ってからも上位~トップに入っていますね。

 小学生3年生くらいからが最も難しいという話もありました。

 それは「書く・話す」という要素が入ること「国語力を阻害する環境になりやすい」ということでした。


「書く」ということ

 読み聞かせ、漢字の勉強くらいまではご家庭でもなんとかなりますが「書く」ということまで教えられる、と自信を持って言える人は少ないでしょう。読書感想文などが始まってくる学年ですが、急に「書け」と言われて、書けるものではありません。

 一つの方法として「読書の内容が変わる」ということでした。ただの物語から小説へ、そして興味を持った「生き物」や「鉄道」「歴史」など専門的な物への読書へ変わる子は「書く」ということにも抵抗がそれほど内容です。

 プロの作った文章を普段から目にしていることが大切な用です。

「話す」ということ

 「話す」がかなり難しそうです。ここでの「話す」とは、口数が多い少ないではありません(もちろん影響するでしょうけど)。 ここでの「話す」は「物事を順序立てて伝える」ことです。

 そしてこの練習は、親同士、親と子の会話が最も影響を受けるようです。親同士、親と子での会話に「説明」が入る時にいつもわかりやすく伝えることが出来る、ということを意識しているかどうか、が問題になるようです。

 感情のままに怒ったり、一方的に話す状態は非常に危険な状態、とのことでした。

 なかなか耳の痛い話になってきたのは、私だけではないでしょう。


「国語力を阻害する環境になりやすい」

 研究結果によると、日本人の子どもで「ゲームを与えられる」年齢は小学3~4年生が非常に多いようです。また両親が共働きになる年齢(パートタイマー含む)もこの時期に重なるそうです。

 確かに手がかからなくなる年齢で、自分自身も小学4年生の頃に専業主婦だった母親がパートで働き始めたのを覚えています。

 ちょうど親子のコミュニケーションが減るタイミングで、ゲームやテレビを見る習慣が増えてしまうことが危険視されていました。

 このゲームやテレビの与える影響も、今さら私がお伝えするようなことではないと思いますので割愛します(長々と書いてありましたが)。


 逆にこの時期から進めていくことが「生活のリズム」を作ること。とのことです。

 両親が共働きなことが決してダメなわけでもなく、ゲームをすることが悪、と言うわけでもありません。

 ゲームは必ず親の見ている前で、とかのルールが必要です。

 また何時に起きる、何時に食事をする、何時~何時は勉強する、何時には寝る。

と時間を決められれば一番いいが、仕事が不定期な場合は「計画を立てる」ということが重要です。

 一日の終わりに明日の計画を立ててもいいし、朝立ててもいいですが、その計画を元に家族が動くことはとても成長に必要なことのようです。

 だからこそたまの先のことを考えられるようになったりしていくようです。


 小学5年生以降は、中学受験をしたり、運動でクラブチームに入ったりと「学習」を中心に生活することが難しくなることも多いが、そうした生活を送れていればその先の学習も安定していく可能性が高いようです。



 最後にこんな文章があり、皮肉たっぷりでありましたが

 「今回の結果は、わざと文章を長くしている。本来ならグラフだけで良かったところまで文章で説明しているところもある。なぜならこれくらいの文章を読むことが出来ないようであれば、教育者として子どもに学習を教えることは不可能だからだ」

 それもあって私も長々と書いてきました。

 最後まで読んでいただいた方は、すでに国語力を持っています。ぜひ様々な力に生かしてください。