愛知県の高校入試から見えること

2023年02月28日

今年度の入試が終わって一週間。生徒たちの自己採点結果も集め終わりました。

今年度の入試は明らかに「平均点が高い」ということが言えそうです。

各教科の講評については次のブログでお伝えするとしましょう。

今回はレベル別に見た観点からお伝えします。

【下位~中位レベルの方から見ると】

倍率が生まれるところは、安心できない結果に!

 偏差値でいうと40代前半以下、内申点でいうと24以下くらいの高校を受験する人たちからの観点で話をすると、毎年の受験では合計得点110点満点とするなら、40点台より下になるのが一般的です。

 当塾でもそのレベルの生徒には、取れる点数を取りに行くことを指導します。あれもこれもと手を広げすぎて全体的に薄い知識になってしまっては本人もやる気がなくなります。

 数学なら計算問題と角度や証明。理科なら分野を絞って暗記で取れる教科を。

 社会は歴史・地理・公民の中で興味の持てる分野を徹底的に。

 国語はとにかく問題演習で実力を上げていく。

 英語が一番難しくて記号問題に頼るしかない。

 そんな考え方になります。実際には人それぞれの苦手が違ったりするので何とも言えませんが、一般的にはこんな指導になります。

 今回もそれに近い指導の生徒もおりました。しかしマークシートでの対策中から50点台を連発してきます。聞けば「勘」という答えが返ってきます。

 そう、わからなくても勘でこたえられるのがマークシートなんです。特に英語は英作文がなくなったことから、点数がとりやすくなりました。なんとなく熟語や単語を覚えていれば「なんか聞いたことある」で選択できるのです。

 と、なると確実に下位~中位層の生徒たちの平均点は上がります。


【中間層】

 平均は上がるので、これまでボーダーと考えていた点数より3~4点あげて考えるべし!

偏差値40台~50代前半。内申点25~32くらい。

この中にいる生徒が最も多いと思います。実際マークシートの試験になった時に、一番危険視していたのがこのレベルの子たちです。

 なぜなら「知識が安定していない」ことが多いからです。受験勉強はそれなりに行いますので、知識は広がっていきます。覚えている言葉も増えていきます。しかし知識が不安定で結びついていなかったり、定着していなかったりするので、数学ではうっかりミスが多かったり、社会や国語・理科の選択問題では「2択までしぼって一か八か!」という回答の仕方になることが多くあります。

 マークシートになることで選択肢が難しくなり、このような状況が多発するだろう、と考えておりました。

 しかし実際はどうでしょう。数学の計算問題は4択なので、計算間違いに気づかせてくれることが多くあります。

 さらに昨年までの問題は「方程式の利用」「グラフと関数」「思考を問う問題」はどれかがなかなか難しく、解ききれないことも多くありました。また大問3の(2)(3)はせいぜい①が解ければいい、と話します。

 今年の問題は、いわゆる「説明聞いてもよくわからない」となるような問題もなく、解けないこともないだろうと感じました。これは理科にも言えることです。

 ちなみに超地元トークで申し訳ないのですが、近隣に「丹羽高校」という高校があります。この高校は近年、定員割れをしてしまっていますが、もともと定員割れをしなかった時にはボーダーで「内申29、当日点58」で設定します。

 この丹羽高校を受験した生徒のほとんどが60点台中盤の点数を取ってきています。今回もし倍率が生まれるとしたならば、50点台だった人は少し危機感を感じたほうがいいでしょう。


【上位層】

一問のミスが命取り!

いわゆる地域のトップ校を目指す生徒には、差のつきにくいテストになったのではないでしょうか。

今回の受験では「社会」が若干難しめではありましたが、それ以外はすべて満点が取れる可能性があります。

トップ校での争いになった場合はこれまで90点台での戦いが100点前後での熾烈な争いに代わりそうです。


【近隣の80%合格ライン予想】*点数のみでいきます。

一宮高校 97~102点

一宮西、西春高校、江南高校 88~92点

名古屋西 78~82点

一宮南、小牧南 72~74点

尾北高校 62~66点

丹羽高校 58~62点

小牧高校 55~60点

犬山高校 50点以上

こんな感じになってくるのではないかと思います。



これ、おそらく来年は難しくなる可能性がありますね。一年かけてレベルアップを考える必要がありそうです。