「ディライト」 ~第1回~

2023年05月15日

あおい学院の誇る「ディライトコース」とその軌跡について ~第1回~


「ディライトコース」とはあおい学院で行われている「一斉形式」の授業である。

個別指導の塾で一斉形式の授業を行うこと自体が珍しいことである。

それでも一斉形式の授業はそのメリットもある。今では中学3年生では満席状態になり、受講することも難しいコースとなったが、そこに辿り着くには多くの悩みを繰り返しながら進んできた。


ディライトコースが出来上がったのはおよそ10年前。個別指導の授業には一つの限界を迎えた気がしたからだ。

その「限界」とは「演習量」である。

通常、個別指導の授業の中では一人ひとりのわからないところを説明する時間がどうしても必要となり、演習は宿題となることが多い。授業で説明をしたことをしっかりと定着させるためには、必ず演習が必要である。

 個別指導の授業の中では、説明したことを何問か演習し、解き方を確認する。それで授業の時間は終わってしまう。

「宿題でやればいいと思う」

 私も個別指導の塾業界に入り、授業を始めたときは「宿題で定着させるために演習問題を出す」ということを授業計画に練りこんだ。 

 大体の生徒の場合は、それで計画通り進んだ。

 しかしその計画がずれてくることがある。「宿題を忘れてくる生徒」がいる場合だ。

 宿題を忘れてしまうと、前回の学習内容が定着しないどころか、前回の学習内容を忘れてしまっている場合もある。

 学校の授業や一斉講習の塾であれば、大勢の中で一人だけ宿題をやってこなかったりしても、それは自己責任だから授業は先に進んでいく。しかし個別指導ではそれは出来ない。

 前回の授業を忘れてしまっていたら、もう一度同じ説明だとしても行うことになる。しかしそれが1か月に何回もあったときには、授業は進まず成績は上がらない。


 「宿題」に限らず演習を行うことも、目の前で確認しながら進めたい。とは言え授業のコマ数を増やしてください、と保護者の方には言いにくい。個別指導の授業料は決して安いものではないからだ。


 授業料が負担にならないように、そして演習が出来るように、どうすればいいだろうか。